聞いてみよう! 行動しよう!
~ファッションを考える1週間~

聞いてみよう! 行動しよう!<br> ~ファッションを考える1週間~


今週は「ファッションレボリューション・ウィーク」。

ファッション産業の裏側にある問題に気付き、行動を起こそうと呼び掛ける世界的なキャンペーンです。

7年前の4月24日、バングラデシュの首都ダッカで縫製工場が入ったビルが倒壊し1,100名あまりの犠牲者を出した悲惨な事故が起こりました。この縫製工場で欧米の大手ブランドの服がつくられていたことから、事故の原因となった違法な増築や劣悪な労働環境に対して、ブランドが責任を持つべきという声が高まったのです。

キャンペーンでは毎年4月24日を中心とした1週間、「#WhoMadeMyClothes (わたしの服は誰がつくってるの?) 」のハッシュタグを通して、消費者がブランド側に問いかけるよう呼び掛けています。

今年は日本独自のハッシュタグ #thanksformakingmyclothes #素敵な洋服をありがとうも追加。大変な状況下にあるアパレル業界の人たちが少しでも元気になってもらえるようにと、作り手に感謝を伝えるメッセージ。いつも以上に投稿が多く、反響を呼んでいるとのことです。

参加の仕方はこちらをご覧ください

また、ファッションレボリューションのプロジェクトチームは、2013年から毎年「FASHION TRANSPARENCY INDEX(ファッションの透明性一覧)」というレポートを発表しています。これは、年商4百万ドル(430億円)以上の大手ブランドと小売店250社を、製品のサプライチェーン(生産から販売までの工程)における社会や環境への影響についてどれだけ情報を公開しているかを「透明度」として%で評価するものです。

対象ブランドはグッチ(Gucci)やカルヴァン・クライン(Calvin Klein)といったハイエンドのブランドから、カジュアルブランドのギャップ(GAP)、ファストファッションのH&M、ナイキ(Nike)などのスポーツシューズまで幅広く、日本のユニクロ、MUJI、ミズノ、アシックスも含まれています。

2020年のレポートは、250社の平均の透明度は23%と低いものの年々透明度は高まっていると報告しています。トップ10、ワースト10といったランキングも公表されていますが、この調査の目的は個別のブランドを評価することではなく、調査を通じてファッションが社会や環境に与える影響について情報を共有し、透明性を高めていくことです。

レポートはこちらからダウンロードできます。(英語/PDF)

一方、社会や環境に配慮したエシカルなブランドを消費者が選べるよう、情報提供するサービスも生まれています。

good on you” というアプリは、2,000以上のファッションブランドを、人・地球・動物に対してどのようなポリシーを持ち実践しているかによって5段階で評価し、自分の好きなブランドの評価を検索できるサービス。フェアトレードやオーガニックのブランドが“Great(最高)“Good(良い)”という高評価を得ています。

ピープルツリーは総合評価で最高の”Great”ランク

 

「わたしの服は誰がつくってるの?」という問いかけが消費者からあれば、企業は情報公開に向けて努力します。人や地球、動物に配慮してつくられる服を選んで買う消費者が増えれば、ファッションブランドはニーズに応えてフェアトレードやオーガニックの製品を増やしてゆくでしょう。

企業を変える力を持っているのは、買い手である私たち。

ファッションレボリューションの7年間の活動を通じ、私たちはすでに、大手繊維企業によるサステナビリティを意識した新たな取り組みなど、変革の兆しを目にしています。

私たちが声をあげ、行動することで、ファッションはもっと人や地球にやさしいものに変わっていきます。

変化の担い手は私たち自身なのです。

 

《参照サイト》

Fashion Revolution

good on you

World Fair Trade Organization – Fashion Revolution Week campaign

 

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