バングラデシュの女性のエンパワメントを目指す研修プロジェクトが動き出しました!
このプロジェクトを実現するためのクラウドファンディングを始めたのが、ちょうど1年前の3月8日、国際女性デー。
性差別のない、女性がリーダーシップを発揮できるような仕事環境を整えることが、フェアトレードの発展、ひいてはものづくりに関わるバングラデシュの女性たちの能力と地位の向上につながるというプロジェクトの意義に130名あまりの方が賛同してくださり、目標を大きく上回るご支援をいただきました。本当にありがとうございました。
2021年内に研修が行われるという当初の予定が、長引くコロナ禍の影響もあり半年以上遅れていましたが、今年に入ってようやく具体的なプランニングが始まりました。
まず、研修に参加する6つのフェアトレード団体の代表者と研修の実務を担う開発NGO「クリスチャン・エイド」の担当者が、1月にオンライン会議で顔を合わせ、スケジュールや今後の進め方について話し合いました。
プロジェクトの統括は、バングラデシュのフェアトレード団体のネットワークである「ECOTA」が、進行管理や手続きは、ECOTAのメンバーであり研修にも参加するフェアトレード団体「デュー・クラフト」が担います。デュー・クラフトで地域開発の仕事をしているゴラム・モストファさんがプロジェクト・コーディネーターの責を担うことになりました。
研修は2段階で行われ、まず6団体から各2名、マネジメントレベルの人が受講、その後、6団体の現場で働く生産者の中から24名が教育係に選ばれて研修を受けます。
まず、それぞれの団体のニーズを確認するため、2月下旬から3月中旬にかけて、ECOTAとデュー・クラフト、クリスチャン・エイドの担当者が6団体の生産現場を訪れて「ベースライン・アセスメント(現状把握の調査)」を行います。
6団体はそれぞれ、衣料品や麻・竹などを使った手工芸品をつくっており、生産現場は主に地方の農村です。現場で働く女性たちをインタビューし、研修プロジェクトの説明とニーズの聞き取りを行うだけでも、プロジェクトチーム4-5名が車や飛行機で数時間移動しなければなりません。
2月27日、最初のベースライン・アセスメントが、「ジュート・ワークス」の生産者グループのひとつが活動するカリガンジの村で行われました。
「現場の生産者の女性たちと顔を合わせて話ができたことはすばらしかった」
「ミーティングではみな積極的に発言して、プロジェクトの成功に向けてそれぞれの役割を果たしてくれた」
アセスメントの第一報をくれたスワパンさん、サラームさんのメッセージは熱気にあふれていました。
続いて3月2日、2番目のベースライン・アセスメントが、衣料品をつくる「アーティザン・ハット」で縫製を担う職人グループで行われました。
プロジェクト・コーディネーターのゴラム・モストファさんは、今回の任命を受けて抱負を語ってくれました。
「このプロジェクトのコーディネートを任されることになり、とても嬉しく思います。私は大学で文化人類学を学び、実務に役立てたいと願っていたので、働く女性たちが自らの権利を認識しリーダーシップを取る力をつけることに貢献し、性差別のない職場を制度的に実現していくことに、とてもやりがいを感じます。
働き手の大半が女性であるフェアトレードの現場で、管理職にある人、働く人双方が男女平等の正しい知識を持つ必要があります。このプロジェクトでは、職場に男女平等を根付かせるための研修で規範をつくり、参加者が研修のスキルを身に付けてそれぞれの職場で活かしてもらいます。このプロジェクトで確立される規範が、バングラデシュの産業全体、フェアトレードの職場全体に男女平等を実現する一里塚になることを願っています」
いよいよ動き出したプロジェクト。
プロジェクトメンバーの熱意が伝わってくるレポートや写真を受け取り、ワクワクしています。このプロジェクトの進行をしっかり見守り、みなさまと共有していきます。
グローバル・ヴィレッジ
代表 胤森なお子