6月12日は「児童労働反対世界デー」 児童労働をなくすために私たちにできること

6月12日は「児童労働反対世界デー」 児童労働をなくすために私たちにできること


毎年6月12日は、国際労働機関(ILO)が世界に蔓延する児童労働をなくそう!と呼び掛ける「児童労働反対世界デー」。

世界の子どもの10人に1人、1億6000 万人もの子どもたちが、義務教育を妨げる労働や危険で有害な労働に従事していると報告されています。
2000年から開始した4年ごとの統計で、児童労働は減少傾向にありました。しかし、最新の2021年度の調査で統計開始以来初めて増加に転じたのです。その後、コロナ禍によって大人の失業が増える中、子どもたちを取り巻く状況はさらに悪化しています。

例えばインドでは、給食を無料提供していた学校が休校になった影響で、子どもを抱える家庭で食費が家計を圧迫。大人のストレスから家庭内で虐待が増えたり、子どもを働かせてしまい学校が再開しても学校に戻らないケースも増えました。

今、実際に児童労働に従事する子どもの数は、最新の統計よりも増えていることは明らかです。

読み書き計算ができないまま大人になることは、貧困から抜け出すきっかけを得られないということです。将来、家庭を持っても、その子どもを働かせることにつながり、負の連鎖が続きます。

児童労働を2025年までになくすことは、SDGs(持続可能な開発目標)の指標のひとつ。SDGsは2030年までの達成目標ですが、貧困をはじめとする諸問題の原因となる児童労働を、他の目標に先駆けて解決することが重要なのです。

全ての子どもたちが、子どもらしい時間を過ごせるように。
一人ひとりにできるアクションとして、まずは何が起きているのかを知り、周りの人に広めることから始めませんか?

 

知ろう! 広めよう!

●SNSで情報発信をしよう

「ストップ!児童労働キャンペーン」のウェブサイトには、SNSを使って情報を広めるためのツールが提供されています。キャンペーン期間(6月1日~30日)中、ぜひ活用しましょう。

 

●イベントに参加しよう

グローバル・ヴィレッジも参加している「児童労働ネットワーク(CL-Net)」では、6月12日(日)にオンラインイベント「紛争が生む、難民と児童労働」を開催します。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、世界中で紛争や難民の問題に関心が高まっている中、紛争地域での難民や児童労働の問題について知るイベントです。

■日時:2022年6月12日(日) 14:30-16:30
■場所:Zoom配信
■定員:80名
■参加費:1,000円~ (寄付つきチケット)
■内容
・紛争地域における児童労働問題
ワールド・ビジョン・ジャパン 志澤道子氏
テラ・ルネッサンス 吉田真衣氏
・児童労働撤廃世界会議 報告
NPO法人ACE 太田まさこ氏
・トーク: 児童労働ゼロに向けて市民社会組織・私たちができること

▼詳細・お申込はこちら

 

フェアトレードを応援しよう

フェアトレードでは、10の指針のひとつに「児童労働および強制労働を排除する」ことを挙げています。これは単に生産過程で子どもの労働力を使わないことを約束するだけではありません。

フェアトレードによって大人が家族の暮らしを支えるだけの十分な収入を得ることによって、親は子どもを働かせずに済むようになります。子どもたちは学校に通って読み書きを覚え、将来は働きがいのある人間らしい仕事に就いて、貧困の連鎖から抜け出せるようになるのです。

グローバル・ヴィレッジを母体とするフェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」の生産者パートナー団体では、生産活動のほか子どもの教育のための地域開発プロジェクトを運営しています。

ピープルツリーの手織り・手刺繍の服やタオルを届けてくれるバングラデシュの「タナパラ・スワローズ」は、地元の貧困家庭の子どもたちが無償の制服や給食の提供を受けて通える小学校を運営しています。

今年、この小学校が財政難と行政の施策変更により閉校の危機に直面したことから、グローバル・ヴィレッジではクラウドファンディングにより資金を集め、存続を支援しています。

通常の授業のほか、文化活動も盛んに行われているスワローズ小学校

 

また、ピープルツリーにアクセサリーやパレワストーン製品を届けてくれるインドの「タラ・プロジェクト」は、児童労働に従事する子どもたちを少しずつ学校に通えるようにサポートする教育センターの運営も行っています。

ピープルツリーは毎年、タラ・プロジェクトで作られたアクセサリーの売上に応じた寄付を送って教育センターの活動を支えています。

一日数時間ずつ教育センターで学ぶ子どもたち。2020~2021年はコロナ禍で活動が休止されていたが、2022年3月から再開された

 

消費者としてフェアトレード商品を購入したり、フェアトレード団体が運営するこのようなプロジェクトを直接応援することは、バングラデシュやインドの子どもたちが貧困の中で児童労働に追いやられることを防ぎます。つまり、「ストップ!児童労働」に向けた大きな一歩となるのです。

 

タナパラ・スワローズの商品はこちら

タラ・プロジェクトの商品はこちら

 


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