上映会・トークショーを開催ー ファッション業界の裏側を描いたドキュメンタリー映画 『THE TRUE COST』 ー

上映会・トークショーを開催ー ファッション業界の裏側を描いたドキュメンタリー映画 『THE TRUE COST』 ー


去る6月11日、東京・めぐろパーシモンホールにて、ドキュメンタリー映画『THE TRUE COST』の一夜限りの上映会とトークイベントを行いました。
(詳しくはこちら >> 日本初公開!ドキュメンタリー『THE TRUE COST』上映会&トークイベント



この映画の制作指揮をとったのは、ドキュメンタリー制作会社のクリエイティブディレクターとして、人権や社会問題を取り上げてきたアメリカのアンドリュー・モーガン監督です。2013年4月に起きたバングラデシュの縫製工場ラナ・プラザの崩壊事故に衝撃を受け、現在の経済システムの特徴でもある「大量生産・大量消費」の犠牲になっている世界各地の人々の取材を重ねました。


途上国の縫製工場で危険で過酷な環境や条件で働く労働者や、インドだけでなくアメリカでも起きているコットン生産で使用する農薬による健康被害、農薬や工場の排水による環境汚染、あふれる古着のたたき売りで失業した街の仕立て屋、デモや労働環境改善の交渉に参加して弾圧を受ける人々……目を背けたくなるような現実が次々と映し出され、参加された皆さんからも「ある程度知識を持っているつもりだったのに、実際の映像を見た衝撃は想像をはるかに超えていました」との感想が数多く寄せられました。


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上映会後のトークイベントでは、フリーアナウンサーでエシカル協会代表の末吉里花さんの司会で、ファッションジャーナリストの生駒芳子さん、モデルの鎌田安里紗さん、ピープル・ツリー代表のサフィア・ミニーが登壇しました。


「この映画で取り上げられていた問題が、私たちと直接つながっている問題であるという事実に胸が苦しい」という鎌田さんは、3月に訪れたバングラデシュのフェアトレードの生産者団体の工房や病院、学校などのエピソードを交えながら、「生産背景を知ることは、お買いものをするときに価格やデザインだけでない判断基準を持つきっかけになると思います。そのきっかけを、若い人たちともっと一緒につくっていきたい」と語ってくれました。


「映画を見る前と見た後では、違う人間になっているというくらい全細胞で衝撃を受けた」という生駒さん。映画では取り上げられていなかったラグジュアリーブランドについても触れながら、「映画で取り上げられてきたさまざまな問題が起きる原因も、世の中にそうした情報が流れないのも、経済システムのせい。広告で収入を得るには、クライアントに都合の悪い情報は流せないですから。でも、私は消費者の力を信じています。ショッピングは投票。ボイコットじゃなくて、自分が納得のいくものづくりをしている企業さんの商品を買う“バイコット”や、投資することでその企業を支援できます。ネットのおかげで個人がメディアになれる時代ですから、ひとりひとりができることをする、発信していくことが影響力を持つと思います」


ロンドンやニューヨーク、ミラノでのプレミア上映会にも登壇しているサフィアは、「何度観ても涙が出てしまう。この映画をきっかけに、私たちの消費生活と途上国にいる人たちの環境との関係がどんなものなのか、もっと多くの人に知ってもらいたい」と強く訴えました。「アンドリューたちは1年半ほど、バングラデシュやインドのあちこちに同行して、日本にもイギリスでも取材を重ねてくれた。編集上、使われなかったエピソードもたくさんあるけれど、私がこの20年間でずっと作りたかった映画を、アメリカの若い3人が作ってくれた」と言うように、制作スタッフは実は全員20代後半。上映会の参加者にも中学生を始め若い世代も目立ち、質問や感想を述べている姿に「ファストファッションにより近い若い世代が、真摯に考えていることに明るい希望を感じました」「同じ世代にもっと知ってほしい」との意見も寄せられました。


衝撃的な事実を知ることで、グローバル経済のもと先進国で消費活動をすることにうしろめたさや無力感を覚えてしまいがちですが、一方で、「気づいたからには出来ることから始めたい」「私から変わります!」という前向きなコメントも。


ストイックになりすぎることも、義務感や恐れから行うアクションも、「続けていく」ことがなかなか難しいものです。生駒さんが「インドやネパールに行って貧しい人たちに接したとき、逆にファッションのパワーを感じたんです。色鮮やかなサリーを大切に着ていたり、自分の装いを愛おしんでいる。ファッションが人をものすごくパワフルに幸せにするんだという希望を改めて思い出しました」とおっしゃっていたように、ファッションが持つプラスのパワーを活かしながら、出来ることをそれぞれが探っていく。そんなきっかけとなるイベントになったのではないかと思います。


ネパールへの寄付金のご報告

当日、上映会+トークイベント会場の受付でいただいた、ネパール被災者支援の募金金額は、38,865円 でした。
ご支援いただきましたみなさま、ありがとうございました。
こちらはすでにネパールへの寄付第2弾として6月18日に送金いたしました。


※ 引き続き、寄付金の受け付けも行っております。
 詳しくはこちら → 寄付をする(NGOグローバル・ヴィレッジ)


※ ネパールの長期支援プロジェクト『WALK with NEPAL』
 ネパールでつくられたファッションアイテム1点のお買い上げにつき、100円を寄付します。
 プロジェクト詳細はこちら → ネパール大地震の長期支援策「WALK with NEPAL」
 ネパールの商品はこちら  → ネパールのファッションアイテム


『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』の日本での上映が決定しました!

★公式サイト http://unitedpeople.jp/truecost/
11月14日(土) 渋谷アップリンクにて

今後、映画に関する最新情報は、公式サイトにてご確認ください。


(ピープル・ツリー PR担当 スズキヒロミ)