『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』を観て

『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』を観て


11月14日(土)渋谷アップリンクにて、『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』の一般公開がスタートしました。
初日の上映後、トークショーをさせていただきました。
(ピープル・ツリー/フェアトレードカンパニー株式会社 常務取締役の胤森なお子さんもトークショーに登壇)

私はすでに3回映画を観ていますが、毎回観る度に心を揺さぶられ、涙が出ます。
上映後、ほとんどのお客さまは私と同じように、ショックで呆然として、言葉も出せない状態にいたよう感じます。
大量生産、大量消費の洋服作りが、これほどまでに人や社会、自然環境の犠牲の上に成り立っているなんて、私たちは知る由もありません。
けれども、私たちが毎日消費しているモノの生産背景を知ることは、とても大事なことです。

なぜなら、それが世界中で今緊急課題とされている、「貧困問題」「人権問題」「気候変動」を解決するための、大事なきっかけとなるからです。
つまり、私たちがフェアトレードの商品や、倫理的に正しい生産をされた商品を購入することは、これら3つの課題を解決するための、ひとつの有効な手段なのです。

フェアトレードを推進していくことで、自然環境を損なわず、むしろ環境を良くすることができたり、社会の悪(児童労働や労働搾取)を助長させず、社会の善(助けを必要とする人々を支援するなど)を促進することができます。また、地域社会、地域経済を損なわずに、地域の発展を応援する形が生まれます。

私たち消費者はどれほど力を持っているのでしょうか?
2013年に発表された統計によると、日本のGDPのうち、個人消費を占める割合は約6割を示しています。(消費者庁平成26年度版消費者白書第3章1節より)
この数字を見ただけでも、消費者が社会や経済に与える影響は大きいということがお分かりいただけるでしょう。
ひとり一人が力の大きさを認識し、「買う」という行為を有効に行使することが大切です。

毎日の消費行動は、決して個人的な営みではなく、何かを買う瞬間、社会や環境、未来に影響を与える行為。買い物の際に少し意識をしてみる。選択肢があればフェアトレードの商品を選んでみる。小さなことから始められるのが「フェアトレード」の良さであり、価値と言えます。

映画を観て落ち込み、「自分には何もできない」「自分は無力である」と思わず、毎日の生活の中で少し意識をしてみてください。
私たちは微力であっても無力ではないのです! 
フェアトレード、一緒に応援していきましょう!

右から、ピープル・ツリーの胤森なお子さん、私、映画配給会社ユナイテッドピープル代表の関根健次さん、ユナイテッドピープルの井上緑さん。

右から、ピープル・ツリーの胤森なお子さん、私、映画配給会社ユナイテッドピープル代表の関根健次さん、ユナイテッドピープルの井上緑さん。

映画公式サイト:http://unitedpeople.jp/truecost/

(一般社団法人エシカル協会代表理事 末吉里花)