ピープル・ツリーのハーブティーやジャムをつくっている「メル・ハーブ」。
豊かな自然とほがらかな人びとに会いに、ケニアへと飛びました。
雨季に入る直前の2月、カラッとした空気に包まれたケニア。
首都、ナイロビから車に揺られること約5時間、緑豊かな山あいの地に「メル・ハーブ」はあります。
車を降りると「こんなところへよく来てくれたね」と、
農家の人びとが歌い、手拍子をたたき、踊り始めました。
ケニアの人びとはとてもシャイで、言葉で表現するよりも体で表現する方が得意。
手を引かれて私も踊りの輪へ加わります。
言葉を交わさなくても、喜びや感謝の気持ちが伝わり、こちらまで笑顔になってしまいます。
歓迎のダンスの後、さっそく畑へ。一面に広がるハイビスカス畑では収穫が行われていました。
ハイビスカスティーはケニアではポピュラーな飲み物。
家庭ではポットにたっぷりとつくって常備しているほど。
びっくりするぐらい甘いものを、仕事終わりの午後にゆったりとした気分で飲むのが定番の飲み方だそう。
ほかにもピープル・ツリーのハーブティーやジャムの素材となる、カモミールや
レモングラス、マンゴー、パパイヤ、レモンが育てられていました。
作物は工房に集められ、ハーブティーやジャムに加工。
ハイビスカスはガクと種子に分け、レモングラスとカモミールは、
金網状の台の上に布を敷き、広げて自然乾燥させます。
ジャムの工房では、女性たちがフルーツの皮をナイフで手早くむいて種子を取り、
果肉を取り出していました。3 ~ 4人が1組になって同時に作業をするので、果肉が山のよう。
そして、腰の高さまである大鍋で砂糖と一緒に煮込んでジャムになります。
甘い香りが立ち込める中、ビン詰め作業は進んでいきます。
今、メル・ハーブでは新しい課題に取り組んでいます。
それは計画的に作物をつくること。
異常気象の影響もあって読めないことも多いのですが、
必要なときに必要な量をつくれるようになれば、作物の買い取り価格も安定し、
農家の人びとの暮らしも安定します。
200世帯以上の農家に、その意味や意義を理解してもらうことは、
なかなか大変な作業ですが、きっと彼らなら実現できる日が来るはず。
そう、今まで実現してきたことと同じように……。